パネケーブ
近年、都市化の進展により、地下水の枯渇、
集中豪雨による都市型浸水災害の多発などが深刻化しております。
これに対し、平成16年5月に「特定都市河川浸水被害対策法」が施行されるなど、
各地で雨水流出抑制に対する取り組みが高まっており、
組立が簡易で、工期短縮が図れる再生プラスチックを使用した工法が、
高い評価を得ています。
「パネケーブ」は小規模・中規模施設において、構造的安全性を保ちながら、
槽内部の幅800㎜×高さ800㎜の人通孔(点検通路)を利用しての、
作業員による本格的なメンテナンスを可能にした製品です。
エバタは、長年の実績と蓄積したノウハウでこれからも社会に貢献してまいります。
特性
- ■コンクリート横断通路
- 点検システムとしてコンクリート製点検口部材と横断通路部材を使用することにより、
維持管理が広範囲で可能となりました。
- ■次世代パネケーブ
- 維持管理機能・施工性・施設構築・耐震性がアップしています。
- ■維持管理機能
- 槽内の人通孔(点検通路)が幅800㎜×高さ800㎜の窓孔となり点検が容易になりました。
- ■施工性
- 槽構成部材の軽量化により、施工性の向上が図れます。
- ■施設構築
-
施設の長さ方向を1.1mピッチから0.55mピッチに変更したことにより、最適な施設構築が可能となりま
す。(ハーフ部材使用時は1.1mピッチ)
- ■耐震性
- 耐震性が向上し、貯留量の設置許容幅が土被りにより大幅アップとなりました。
- ■環境への貢献度
-
部材は再生プラスチックを使用し、マテリアルリサイクルで環境に貢献しています。
組立作業における大型重機不要で、組立時の周辺環境への騒音も軽減可能です。
維持管理システム
パネケーブ槽の点検システムとして、コンクリート製の点検人孔を槽の内部へ、コンクリート製の横断通路を槽の最下段へ設置できるシステムです。掘削幅や長さを変えることなく、自由度の高い点検口および横断通路を設置することが可能です。
さらに点検口には、昇降用ステップが取り付けてあるため、槽内の幅800㎜×高さ800㎜の点検通路への進入が安全に広範囲で効率的に行え、定期点検およびバキュームなどを使用しての土砂等の清掃作業が可能となり、長期にわたり多岐な機能の維持管理が図れます。
主要部材
- ■空隙率・・・94%
- ■耐自動車荷重・・・T-25以下
- ■埋設深さ・・・最大3.99m
パネケーブ主要部材 規格表
部材名 | 記号 |
|
参考質量(Kg) | 備考 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
a | 本体 | PC1-CP100N |
|
7.9 | |||||||
PC1-CP50B |
|
7.5 | |||||||||
b | 上下板 | PC1-TB25N |
|
5.7 | T-25仕様 | ||||||
c | 側板 | PC1-SP100N |
|
7.3 | |||||||
PC1-SP50 |
|
9.5 | |||||||||
d | 鏡板 | PC1-EP100N |
|
13.4 | |||||||
PC1-EP50 |
|
7.8 | |||||||||
e | 中間板 | PC1-MPN |
|
4.5 |
パネケーブ点検口 規格表
種類 | 記号 | 孔数 | 参考質量(Kg) |
---|---|---|---|
中間管取付型 | PC1-CT-A5 | 5孔 | 924 |
中間型 | PC1-CT-A4 | 4孔 | 1036 |
底部管取付型 | PC1-CT-B4 | 4孔 | 1046 |
底部型 | PC1-CT-B3 | 3孔 | 1157 |
パネケーブ横断通路 規格表
種類 | 記号 | 参考質量(Kg) | 備考 |
---|---|---|---|
本体 | PC1-CO-H | 982 | |
側壁 | PC1-CO-S | 143 | |
接続部材 | PC1-GO-J | 54 | GRC製 |
構造図例(貯留槽)
設計上の注意
- 本製品は槽内に雨水を貯留・浸透させる目的で設計されております。それ以外の用途でのご使用は、機能低下および事故等につながる恐れ
がありますので、絶対にご使用にならないでください。 - 建物等構造物の基礎の影響線内の設置は避けてください。
- 地下水位の高いところで貯留槽または貯留浸透槽として使用する場合は、浮力に対する検討が必要となります
- 槽の上部および周辺の植栽は草花程度とし、樹木等を植える場合には充分な土被りの検討をお願いいたします。
- 汚水・鉱油類等が入らないように配慮設計をお願いいたします。
●管口フィルター等で維持管理を行う場合は、ますの内径を十分に考慮してください。
※詳しくは別途「技術資料」をご用意しておりますので、担当営業までお問い合わせください。
施設のタイプ
- 浸透施設
槽全体を浸透シートで包むことで、雨水を効率よく地中へ浸透させる。
- 貯留施設
槽を遮水シート・保護シートで包むことにより、槽内に雨水を一時的に貯留し、オリフィス機能によって徐々に槽外へ流出させる。
施工手順(貯留槽)
- 1. 保護シート敷設
- 2. 遮水シート敷設
- 3. 本体組立開始
- 4. 組立状況-1
- 5. 組立状況-2
- 6. 組立終了
- 7. シート被覆完了
- 櫓内部状況(点検通路)
※詳しくは別途「施工要領書」をご用意しておりますので、担当営業までお問い合わせ下さい。
施工上の注意
- 本製品は槽内に雨水を貯留・浸透させる目的で設計されております。それ以外の用途でのご使用は、機能低下および事故等につながる恐れがありますので、絶対にご使用にならないでください。
- カタログおよび技術資料にある表示荷重(耐自動車荷重)等、使用範囲を超える荷重・条件でご使用になりますと、破損・変形などによる事故を招く恐れがあります。本製品の使用範囲をご確認の上、構造上安全な範囲でご使用ください。
- 施工中および槽設置後の地下水や降雨による本製品の浮き上がり防止のため、充分な浮力対策および、排水対策を行ってください。
(※槽設置完了後は速やかに所定の厚さまで、適切な埋め戻しを行ってください) - 貯留施設の場合、遮水シートの溶着は必ず専門工に委ねてください。
- 製品の保管、使用時の過度な集中荷重、偏荷重および長期間、直射日光下で保管されますと、物性の低下を招きますのでご注意ください。
- 埋め戻しの際は、槽の機能を阻害しない埋め戻し材で、槽の周辺を出来るだけ均等になるように、慎重に作業を行ってください。
- 埋め戻し完了後、槽上部での大型車輌の走行や、重機による作業は行わないでください。